金環日食限界線とベイリービーズ観測による太陽直径測定 (チームB)
チームBについて
金環日食帯について、最近はインターネットの地図サービスの発達により、限界線がどのあたりを通っているか手軽に調べることができるようになりました。ところが実際に調べると、予報によって大きな差があることがわかります。これは予報に用いるデータや金環日食の定義の違いによって生じるものでどれが間違いということではありません。
これらの予報の中で、当研究会のメンバーでもある国立天文台の相馬充とせんだい宇宙館の早水勉によって発表された相馬・早水の予報は、最新の月縁データに基づいた予想で、現状では最も精密な予報ですが、予報線には300mほどの不確かさがあります。これは太陽半径の不確かさによるものです。2012年版の理科年表には太陽の半径は69万6000kmと記載されています。これは1891年に求められた値で、最近の測定でも695,500kmから696,200kmまでばらつきがあり、真の値がいくつなのか、はっきりしておらず、またそれが変化しているのかどうかも定かではありません。以前の日食の観測で太陽の大きさが正確に求められなかった大きな理由に、月縁の凹凸が正確に分かっていなかったことがあげられます。相馬早水の予報では月探査機かぐやのデータを用いています。月の形状を基準として太陽がそれだけはみ出しているか?(あるいははみ出していないか?)を調べることで、過去最高の精度で太陽直径を決定できます。金環日食限界線研究会チームBがこの観測を行うことになっています。チームBについては2012年3月10日の段階で観測メンバーは確定しています。
詳しくは金環日食観測チームBのページをごらんください。