5/21金環日食 全国多地点同時観測による

データ共有「2012金環日食画像共有プロジェクト」

in English

みんなで集まって、こういう動画を作ろう!

2012/5/18 修正版
2012金環日食画像共有プロジェクト呼掛人
半田 利弘(鹿児島大学)
畠  浩二(岡山商科大学附属高等学校)
原  正 (埼玉県立豊岡高等学校)
洞口 俊博(国立科学博物館)
平松 正顕(国立天文台)
新井 達之(葛飾区郷土と天文の博物館)
佐藤 祐介(北海道大学)
大西 浩次(長野高等工業専門学校)
後援:日本ハンズオンユニバース協会(JAHOU)

このプログラムは、「金環日食限界線共同観測プロジェクト」と連携しています。 同プロジェクトには、「目で見てどうみえたか報告する」というプログラムもあります。写真撮影に自信がない方は、こちらへの参加をお奨めします。

注意! このプロジェクトへの参加は、望遠鏡で太陽の撮影をした経験がある人を前提としています。 当方では撮影方法の指導や安全な撮影方法について紹介するだけの余力がありません。 その点、ご留意下さい。

 5月21日には西日本の太平洋側では金環日食が、 それ以外の日本各地では部分日食が観測できます。 せっかくの機会なので、個々に記録を取るばかりでなく、 全国規模で多地点同時観測によるデータ共有を してはという企画のご案内です。

 今回の日食では、各地の科学館・公開天文台でも 人手の都合で記録画像を撮影することができない場合が多いと聞いています。 1箇所でも多くの協力をいただけると幸いです。

主旨

どうせ部分日食を撮影するなら、 全国で時刻を同期して撮影し、後日にも利用できる資料を共同制作しませんか。

目的

全国各地から同時撮影した部分食画像を集め、 これとコンピュータシミュレーション画像と組み合わせると、 地球規模の観点による日食観察資料とすることができる。 これは1997年に実施され、有効であることが示された。 (1997年のキャンペーン(Live!Eclipse97)で取得した画像を 用いた簡易動画はこちら

2009年にも同様の企画を行い、 部分食画像を集めることができたが、 ほとんどの地点が曇りだったため 残念ながら、効果的な画像は未だに得られていないという状況である。 (2009年のキャンペーンで取得した画像を 用いた簡易動画はこちら) 今回、これに対応する画像を各地で撮影の上、 共有することにより、最新版を作成した上で、 今後、2035年の日食の際に利用できる資料とすることを目的とする。

また、本年6月6日には金星が太陽面を通過する。 これを大陸間に相当する2000km以上隔てた地点で同時観測することで 地球と太陽との距離を測定するための基礎データを得ることが出来る。 この企画に必要な撮影技術は、今回の部分日食撮影とほぼ同じため、 その予行演習ともなる。

経緯

1997年には、Live!Eclipse全国部分食画像収集を行い、 多地点同時画像を日本全体での 第1接触から第4接触に渡る時間にかけて集めることに成功した。 また、2009年には、我々の呼びかけで、このページに掲載したような 簡易動画を得るだけの画像が集まったが、ご覧のように、 残念ながら、天候に恵まれなかった。

日本では、しばらくの間、これに匹敵する広い範囲で観測可能な 金環日食・皆既日食は起こらない。 そこで、可能なそこで、知り合いで可能な人たちだけでも連絡を取って、 上記目的を達成するためのデータ共有イベントを再度企画した。

なお、その2週間後に起こる金星太陽面通過も同様の企画として 海外との協力の下、実行することになっている。

撮影仕様

以下の条件で撮影された画像を後日集めることを主目的とする。 望遠鏡に妥当な減光フルタを取り付けて 直接像を追尾撮影することが基本。

撮影時刻(JST)

最低ライン
6時00分〜9時30分 15分ごと 15ショット 精度1分以内
推奨ライン
6時00分〜9時30分 5分ごと 45ショット 精度30秒以内
同時観測なので、精度は1枚ごとの時間間隔より、決められた時刻に近い画像が 多くなることがより大切です。

推奨画像仕様

以下の4クラスでの撮影を推奨するので、可能な限り、これに合わせた画像を 撮影して下さい。 ただし、これにはずれた仕様での撮影でも歓迎します。
仕様クラス目標解像度焦点距離
(フルサイズ換算)
備考
クラスS2秒角以下1200mm以上口径65mm以上の望遠鏡が必要。
クラスA4秒角以下450mm以上
クラスB6秒角以下300mm以上
クラスY30秒角以下70mm以上
注意:カメラによって撮像素子のサイズが異なるため、 必要な焦点距離が異なります。 カメラの取扱説明書などでカメラの撮像素子サイズを確認の上、 以下の表の換算係数で上表の焦点距離を割った値が必要な焦点距離となります。
これに合わせて望遠レンズなどが必要になります。

参考:カメラデータ

撮像素子焦点距離換算値推奨仕様を満たすカメラの例
フルサイズ素子
約36mm×24mm
1.0キャノン1Ds, 5Dシリーズ
ニコンD3以降のDの1桁シリーズ
ソニーα900シリーズ
APS-H素子
約28.1mm×18.7mm
1.3キャノン1Ds 1DX以外の1Dシリーズ
APS-C素子
約23.4×16.7mm
1.6キャノンkissシリーズ, 7D, 60D, 50Dなど
1.5ソニーαシリーズ(α900シリーズを除く)
ニコンDシリーズ(上の欄掲載のものを除く)
フォーサーズ素子
約17.3mm×13mm
2.0オリンパスEシリーズ

優先順位

  1. 指定された時刻での15ショットが時刻精度1分で撮影されていること。 これを早送りにすることで、部分日食の最初から最後までの動画となる。
    全長で3.5時間なので、1分ごとに1コマあれば ビデオレート(30コマ/sec)で7秒の動画となり、理想的である。
  2. 空か地上に対する方向がわかっていること。
  3. 画質。太陽の視直径が100画素は必要。 横2000画素程度のデジカメだと標準レンズ×3ズーム辺りが最低線。

公開

撮影後、画像を集約した後には、参加者全員が対等な立場で 互いのデータを自由に利用できるようにすることを原則とする。 そのために、以下の条件をお認め下さい。
  1. 撮影に参加し、データを提供した人は、 画質の程度や天候、機材トラブルの有無に拘わらず 原則としてプロジェクトメンバーと認定する。
  2. 1地点からの部分食画像の著作権は、各地点での提供者であるが、 複数地点の画像を同時に表示する場合には、 プロジェクトメンバーの共同著作物として既に相互に利用許諾を得ているものとする。

    この際の対外的な著作権表示は、 「2012年金環日食画像共有プロジェクト」とする。

参加状況と国際展開

現在の参加状況は、こちらをご覧下さい。

連絡先

ご賛同いただけるようでしたら、 milkyway.sci.kagoshima-u.ac.jp までご連絡下さい。撮影後での参加表明でも歓迎です。

参加希望者の連絡事項