写真:金環日食時のベイリービーズ 1987年9月23日 沖縄金環日食における第3接触 撮影 渡部勇人(三重県いなべ市) |
国際天文学連合の採用値 | (1891年 A.Auwers) 696,000km |
1999年 Tripathy & Antia | 695,770km +/-100km |
1999年Calern CCD astrolabe | 696,120km +/-50km |
2008年Solar Disk Sextant | 696,180km +/-70km |
2008年 Michelson Doppler Imager | 696,040km +/-110km |
図:ベイリービーズ観測のための機器構成例 GHS-OSD の代わりに固定電話の時報を録音すること でも、ビデオのフレーム精度(1/30秒)を確保できる。 携帯電話は遅延があるために望ましくない。 ビデオ機器は旧来のアナログ(NTSC)信号によるものが 推奨される。 |
a. 望遠鏡
口径は4〜8cm でよいでしょう。大きすぎる口径は危険を伴うので口径を絞ること。
太陽用の減光フィルターは対物側に付ける(プレフィルター)。適正な焦点距離はAビデオモジュールのCCDサイズと関連します。
定番のワテック WAT-100N(CCDサイズ1/2inch) 利用の場合ならば、焦点距離 400mm程度で画面にちょうど太陽が収まる大きさとなります。
ベイリービーズの観測では太陽が画角からはみ出しても構わないので、これより長い焦点距離でもよい。
b. 減光フィルター
可視光の減光フィルターを使用します。写真用のNDフィルターは色の偏りがなく良好です。
眼視用のフィルターを使用する場合には、色バランスの極端なものは避けて下さい。
減光倍率は、1万倍〜10万倍が勧められます。
天体用のビデオモジュールは高感度のものが多いため、1万倍の減光は最低感度に設定しても減光不足の場合が多いと考えられます。
c. ビデオモジュール
ビデオモジュールは、マニュアルでシャッタースピードやゲインを調整できることが望ましいです。
また、GHS-OSD のようなタイムインポーザを利用するためには、ビデオモジュールを使用する必要があります。
岸本氏(須磨東高等学校)は、ビデオモジュールの代わりにハンディービデオカメラをコリメート法で接続する方法を考案しました。
この方法でもビデオ信号に遅延のないことが報告されています。
ただし、このような特殊な方法は、事前の実験により観測として使えるかを検証しておく必要があります。
これらのビデオ機器は旧来のアナログビデオ信号(NTSC方式)であることが望まれます。
現在では標準となったハイビジョンでは、映像が時刻方向にも圧縮されており、
十分に正確な時報を記録することが困難であることが最大の理由です。
また、ハイビジョンで撮影されたビデオの解析を行うためのツールもありません。
GHS-OSD等のビデオタイムインポーザも、ハイビジョンに使用することはできません。
記録するメディアはDVかVHSが推奨されます。また必ず、標準速度で記録して下さい。
2倍,3倍 等の記録モードでは解析することができません。
d. 時報
最も推奨できるのは GPSを利用した時計です。固定電話の時報でもビデオのフレーム精度の正確さがあり利用可能です。
携帯電話の時報,電波時計 等はビデオ観測で使用するには大きすぎる誤差の生じる可能性があり推奨できません。
GPS利用の時計には、GHS時計,GHS-OSD (いずれも筆者らの考案による機器)があります。
固定電話を利用する場合には、市販の電話ピックアップアダプタが便利です。
固定電話の利用は、観測する望遠鏡の近くまで電話を近づける必要があります。
固定電話の子機を使用する場合には、遅延がないかどうかを事前に検証しておくべきです。
時報はタイムインポーザーを併用すると解析の際に有用です。GHS-OSD はタイムインポーザー機能を内蔵しています。
単独のタイムインポーザーには早水による TIVi があります。
写真:太陽観測のビデオ画像の例 口径4.5cm 焦点距離50cm 屈折望遠鏡。 バーダープラネタリウム製太陽観測フィルターを対物側に装着。 ビデオモジュールWAT-100N。 GHS-OSD でタイムインポーズ。 |
○ 月による星食の予報
星食観測日本地域コーディネーター 「星食観測ハンドブック2012」
○ 小惑星による恒星食の予報
せんだい宇宙館 「小惑星による恒星食初期予報」
事前のテスト観測の結果は早水までお寄せ頂ければ解析します。
5.観測班
この観測は参加されるサイトが多すぎると、解析する側の負担が大きくなり、とても対応しきれなくなってしまいます。
このためチームは、星食観測のための十分な機材(特に時計装置)を所有し、確実なスキルのある方々で編成したいと思います。
布陣は、限界線付近に偏らない金環帯に配置すべきでしょう。
たいへん恐縮ですが、観測サイトは上記のようなことで一般に公募しないで閉じたコミュニティー内での募集としますことを
ご理解をお願い申し上げます。
○ チームBの観測班(西から)全15班
せんだい宇宙館 早水 勉
小林西高校 河野健太
宮崎大学 山内誠
岡山商大附属高等学校 畠 浩二
明石市立天文科学館 井上 毅
兵庫県立須磨東高等学校 岸本 浩
三田祥雲館高等学校3地点 谷川智康
滋賀県立長浜北星高等学校 山村秀人
渡部勇人(三重県いなべ市)
愛知県立一宮高校 高村裕三朗
小和田稔(静岡県浜松市)
長野高専 大西浩次+松井 聡
高島英雄(千葉県柏市)
国立科学博物館 洞口俊博
冨岡啓行(茨城県日立市)
郡山市ふれあい科学館 近藤正宏+薄 謙一
(2012年2月28日 現在)
6.観測結果の報告
金環日食本番で観測を得ることのできたサイトは、せんだい宇宙館 早水まで、観測されたビデオを郵送して下さい。
早水にてビデオを解析します。解析可能なビデオのフォーマットは、DVまたはVHSです。
これらのビデオから直接生成された AVI形式の動画データでも可です。
ビデオの郵送の際には以下の情報を添えて下さい。
1.観測者氏名および氏名のローマ字標記
2.観測地および観測地の経緯度と標高,測地系
3.観測開始と観測終了の時刻
4.観測機材
5.時刻保持の方法
7.観測結果の評価と発表
(1) 観測結果の評価
早水にてビデオを解析し、そのデータを相馬(国立天文台)に転送します。得られたデータをもとに相馬にて整約計算します。
(2) 発表
(ここは未作成)
8.資料
○ 北限界線付近におけるベイリービーズの月縁図(相馬による)
各地で見る食の最大の頃の月縁と太陽の縁の位置
月縁は実際よりもかなり誇張してあり、太陽の縁もそれに合わせて作図している。
このため太陽の縁の曲がり方が逆になっている。月縁は月探査衛星「かぐや」による観測値を採用している。
熊本県八代市 | 徳島県三好市 |
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兵庫県明石市 | 京都府京都市 |
長野県上田市 | 福島県郡山市 |
○ 金環帯内側におけるベイリービーズの月縁図(相馬による)
各地で見る第2接触・第3接触の月縁と太陽の縁の位置
月縁は実際よりもかなり誇張してあり、太陽の縁もそれに合わせて作図している。
このため太陽の縁の曲がり方が逆になっている。月縁は月探査衛星「かぐや」による観測値を採用している。
鹿児島県鹿児島市 | 高知県高知市 |
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大阪府大阪市 | 愛知県名古屋市 |
東京都港区 | 茨城県水戸市 |